実はよく知らない?
メタボリックシンドロームのこと
糖尿病などの生活習慣病は、
それぞれの病気が別々に進行するのではなく、おなかのまわりの内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が大きくかかわるものであることがわかってきました。
内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。
内臓脂肪が過剰にたまっていると、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生活習慣病を併発しやすくなってしまうのです。しかも、「血糖値がちょっと高め」「血圧がちょっと高め」といった、まだ病気とは診断されない予備群でも、これらが内臓脂肪型肥満をベースに複数重なることによって、動脈硬化を進行させ、ひいては心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気を急速に招きます。
危険因子が重なるほど
心臓病等の発症の危険性が高まります
メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気の発症の危険性は、危険因子の数と大きくかかわっており、危険因子の数が多くなるほど危険度は高まります。例えば心臓病の場合、危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を1つもっている場合は5.1倍、2つもっている場合は5.8倍、3~4個もっている場合では危険度は急激に上昇し、なんと35.8倍にもなります。
※危険因子:糖尿病・耐糖能異常、脂質異常症(高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症)、高血圧、慢性腎臓病(CKD)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴など
あなたは本当に大丈夫? メタボリックシンドロームの診断基準
内臓脂肪型肥満(男性で85cm以上、女性で90cm以上)に加えて、脂質異常、高血圧、高血糖のうち、2つ以上が当てはまると「メタボリックシンド ローム」と診断されます。もし、腹囲が基準値以下であっても、内臓脂肪面積が100c㎡以上の人もいますので、正確な状態を知る際には腹部CTスキャンで測定 が必要です。